伝統継承へ魂の舞 「人形浄瑠璃 でくの舞」
2007年02月20日
今回は、スポーツから少し離れて、伝統芸能です。白山麓の白山市東二口におよそ300年前から伝わる文弥人形浄瑠璃「でくの舞」 の取材に行ってきました。
「でくの舞」は、語りや三味線、太鼓に合わせて、人形と人間がひとつになって舞う伝統芸能です。白山市東二口は、18世帯、 人口およそ40人の小さな地区ですが、毎年2月に開かれる定期公演「文弥まつり」には、4日間でおよそ500人以上が訪れるそうです。 まつり当日は、東二口の婦人会がおでんなどを大きな鍋で作り、でくを見に来た人たちをもてなしてくれます。これがまた美味しいんです!!
僕が伺った日も150人以上の人が集まり、上演会場に入りきれないほど・・・。この日の演目は「大職冠」。中国から日本に贈られた宝 「水晶の玉」を、人間と竜が奪い合う物語です。哀愁に満ちた浄瑠璃に合わせて、舞い手が足拍子を鳴らすシーンは、 見ているほうも引き込まれていきます。
実は、東二口の「でくの舞」の保存会は、現在12人しかいません。東二口の「でくの舞」は1人1体で、普通ならば20人が必要ですが、 人数が足りないため、1人何役も演じているんです。人口のおよそ6割が65歳以上の集落にとって、 300年以上続く伝統芸能を継承していくことは容易ではありません。そんな状況のなか、 必死に次の世代に残していこうという保存会のメンバー。その演技は、まさに魂が人形に乗り移ったようでした。
過疎と高齢化が進む白山麓。しかし、伝統を伝え、受け継いでいこうとする人たちがいることを今回の取材で実感しました。