石川県金沢市出身で、バドミントン元日本ランキング1位の坂井一将選手が2024年12月、現役引退を発表しました。バドミントンへの思い、そして今後の夢を聞きました。
坂井一将さん
「自分の中で、現役はそろそろ厳しいのかなと思い始め、今回のSJリーグ金沢大会を、最後の大会と決めて」「本日最後まで、いろんな人の協力を受けて最後まで戦い抜くことができました」
先月、金沢市で行われたバドミントン・S/Jリーグの公式戦。
試合後に開かれたセレモニーで、坂井一将選手はファン・関係者に現役引退を報告しました。
金沢市出身で、現在34歳の坂井一将さん。
金沢市立工業高校を卒業後、日本のトップチーム・日本ユニシスのシングルスのエースとして長く活躍。
180センチ近い長身を生かした攻撃的なプレースタイルで、全日本社会人選手権3連覇、日本ランキング1位など、国内トップを走ってきました。
2019年に、生まれ育った石川県の金沢学院クラブに移籍。
現役選手としてプレーをするかたわら、金沢学院大学の監督も務め、選手と指導者の両立をしてきました。
1月中旬、大学の体育館を訪ねると、坂井さんは学生を相手に熱のこもったノックをしていました。
坂井さん
「もちろんみんな頑張っているのは頑張っているんですけど、日本代表とかになればこういうノック練習もあるんですけど、そうなったときにオールアウトするまで(倒れるまで)いくので、やっぱり僕からしたら、もう1ステップ上を追い求めたいと思います」
現役生活を終えた坂井選手に、改めて今の気持ちを聞きました。
坂井さん
「本当に悔いがないっていうぐらいやりましたし、いろいろな経験もさせてもらって、これ以上ない現役生活を送れたんじゃないかなって、自分の中では思っています」
日本のトップ選手として長く活躍してきた中で、最も思い出深いのは、2016年に日本ランキング1位になったことだといいます。
坂井さん
「日本ランキングで1番を取れたというところは、1年間のアベレージが高くないとやっぱり1番にはなれないので、そこに関しては日本ランキング1番になったことが思い出に残っている」
単発ではなく、勝ち続けたことが数字に表れる“ランキング”で認められたことがうれしかったといいます。
現役生活を終えて、これからは指導者専任でバドミントンに関わっていきます。
2019年から指導する金沢学院大を、おととし、去年と2年連続でインカレベスト8に導くなど、早くも結果を出しています。
指導を受ける学生
「厳しいところもあり優しいところもあっていいと思います」
「画面の奥で見ていた選手だったので」「世界で戦ってきた経験値とかそこが違うのでそういうところを吸収していきたい」
金沢学院大シングルスコーチ・猪熊心太朗さん
「自分たちの意見を取り入れながら練習・アドバイスをしてくれるので、すごくやりやすさはあります」
選手時代の実績と、指導力が高く評価され、去年から日本代表チームのコーチにも就任しました。
2025年は、大学の監督と、日本代表コーチを兼任します。
坂井さん
「日本代表として世界で戦ったことだったり、日本国内でもいろいろな経験をしてきたので、そういうのを、金沢学院をはじめ、地元石川県のためにジュニアも含めてレベルアップに協力できたらなと考えています」
そんな坂井さんに、今後の目標を聞きました。
坂井さん
「日本代表のコーチと金沢学院大学の監督を兼任する上で、地元・石川県、金沢学院から日本代表選手、そしてオリンピック選手を輩出できるように頑張っていきたいと思っています」
坂井さんは、実は東京オリンピック出場もあと少しのところで逃していましたが、それについても悔いはなくて、あそこで出場を逃したからこそ、ふるさと石川からオリンピック選手を出したいという思いに至ったと話していました。熱い思いを持って第2の人生をスタートさせた坂井一将さんを紹介しました。
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バドミントン 元日本ランキング1位・坂井一将さん(金沢市出身)現役引退 次の夢は「石川県から五輪選手を育成」
(木)